論語、素読会

君子は器ならず|「論語」為政第二12

孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人物とは、特定のはたらきに限定された器ではない。|「論語」為政第二12

【現代に活かす論語】
リーダーは自ら特定の働きだけをするのではなく、それぞれ働きのある人を用いるのが役目である。

『論語、素読会』YouTube動画
00:00​ 章句の検討 為政第二12

04:30​ 章句の検討 為政第二13
09:25​ 章句の検討 為政第二14
14:15​ 「為政第二」01-24 素読
2021.3.19収録

【解釈】

子曰わく、君子は器ならず。|「論語」為政第二12
子曰、君子不器。

「器」とは、茶碗のような特定の用途に役に立つ器のこと。「君子」は人の上に立つ立派な人。

孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人物とは、特定のはたらきに限定された器ではない。

【解説】

君子は働きを限定しないという意味と考えることも、特定の働きをする人たちを束ねる立場であるとも考えるようですが、ひとつの分野にこだわらず、広く見識を広げて柔軟に対応せよという意味なのではないかと考えています。

ひとの能力や才能を「器」と表現している章句をご紹介します。
子貢が孔先生に「私はいかがでしょうか」と尋ねた。孔先生がおっしゃった「お前は器である。」と。子貢は言います。「どのような器でしょうか?」孔先生は「宗廟の祭で使う大切な瑚璉であるよ。」と答えられました。|「論語」公冶長第五04
孔先生がおっしゃった、人の上に立つ立派な人(君子)は仕え易いが悦ばせづらい。君子を悦ばせるには、道理や規律にかなっていなければ悦ばない。君子が人を使うときには、その人の才能・能力を活かして適切に使う。|「論語」子路第十三25


「論語」参考文献|論語、素読会
為政第二11< | >為政第二13


【原文・白文】
 子曰、君子不器。

(子曰わく、君子は器ならず。)
【読み下し文】
 子(し)曰(のたま)わく、君子(くんし)は器(うつわ)ならず。


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